OSSライセンスが添付されていないプログラムの扱いについて
OSSと自称又はOSSと見做されているプログラムで、たまに、OSSライセンスが添付されていないプログラムがあります。その扱いについて、今さらながらですが、書いておきます。
1. OSSライセンスが不明なプログラム
ソースプログラムが公開されていると、オープンソース(OSS)と思いがちですが、「オープンソースの定義」(OSD)にある条件、例えば、「1.再頒布の自由」がなければ、オープンソースと呼べません。
ソースが公開されたプログラムも、著作権法に保護されており、著作者である開発者の許諾なしに受領者による再頒布は、著作権侵害になります。
OSSライセンスには、この開発者の許諾が記載されています。もし、OSSライセンスが添付されていないならば、その再頒布は許諾されていないということです。つまり、そのプログラムは、オープンソースと言えません。
従って、このようなプログラムを使った製品を頒布(販売)してはいけません。
2. OSSライセンスが指定されているだけで、添付されていないプログラム
プログラムのヘッダ部分などにOSSライセンス名またはURLを記載しているのみで、ライセンス文自身を掲載も添付もしていないプログラムをたまに見かけます。
この扱いを検討する前に、OSSライセンスについて、確認しましょう。
2-1. OSSライセンスの特定
OSSライセンスは、「GNU GPLv2」とか「Apache License 2.0」とかライセンスを特定できる固有名詞が付いているものと思っている人が多いでしょうが、元々はそうではありませんでした。
1981年にGNU GPLv1が作られる以前のOSSライセンスは、OSSごとに記載された内容であって、特に、固有名称はありませんでした。
GPL以前からあるBSDライセンスやMITライセンスも、BSDやXのプログラムに付けられたライセンスで、固有名称は無く、他のプログラムは、これらを真似て個々のプログラムにライセンスとして記載していました。それらを総称的に、BSDライセンスとかMITライセンスと呼んでいました。
現在も、二条項BSDライセンスと呼ばれているFreeBSDのライセンスを特に指す場合は、「FreeBSD Copyright」と呼ぶのも、「FreeBSDのCopyrightに続いて書かれたライセンス」のような程度の意味合いなのも、固有名称が無いためでしょう。
つまり、プログラムにおいて、名称でライセンスを指定していても、曖昧になってしまうことがあるということです。
また、URLを指定していれば明確になるのではないかと考える人もいるでしょうが、OSIが掲載しているMITライセンスは、穴埋めしなければ完成しない雛型でしかありません。
あるGPLv2のプログラムがURL先と指していたGNUサイトは、GPLv3発表以降、プログラムの著作者の意図とは関係なく、GPLv3に置き換わっていました。
以上のことから、OSSライセンスは、名称やURLで特定できるものと考えるのは妥当ではありません。
2-2. 添付されていないプログラムの扱い
OSSライセンスが、名称やURLで指定されているだけで、添付されていないプログラムは、再頒布条件の特定が曖昧になってしまう可能があることが分かったかと思います。
そのような形で公開されたプログラムは、もはや、OSSと呼ぶには相応しくないでしょう。
また、そのような、いい加減さは、プログラムの品質にも疑義を抱かざるを得ません。
従って、このようなプログラムを使った製品を頒布(販売)しないほうがよいでしょう。
3. さいごに
このような話をあらためて書いたのは、「ライセンスが添付されえていなければ、添付して頒布すればいい」とか「プログラム自体を改変していないのだから問題ない」と書かれているものを見かけたからです。確かに、それ自体は問題ないかもしれませんが、そもそも、そうまでして頒布するに値するプログラムですか?と一度、立ち止まって考えてみてほしい、と思い書いてみました。
2027.1.28 姉崎章博

